小麦粉のパッケージに見るインド|アタ粉とは(2)
日頃、使い終わると何気なく捨ててしまうアタ粉の袋ですが・・・
あらためてじ~っと見ると、インドの人たちがどんなものを好むのか見えてきてちょっと面白い。(アタ粉って何?という方は「アタ粉に恋して。|アタ粉とは(1)」からどうぞ~♪)
二つ、違うブランドのアタ粉を買ってみました。ジェネラルミルズが出しているピルズベリーと、ITCのアーシルヴァードです。
1)チャッキ・フレッシュ
まずはピルズベリーから。チャッキとは石臼のことで、石臼で挽きたてのアタ粉というわけですね。袋の後ろ側には絵もあります。石臼挽きっていうのがこんなにウリになるんだ・・・。大量生産でしょうに、どんな石臼なんでしょう?! いろいろ読んでいると、どうやら「アタ粉は、石臼挽きが断然いい!」というこだわりを多くのインド人がもっているようです。
ちなみ日本でも、小麦粉を何十種類も置いている製菓専門店cuoca自由が丘本店の棚にこんなPOPを発見!
2)スリー・フィンガー・テア・ソフトネス
もうひとつピルズベリーから。これ結構ウケたんですけど”3 finger tear softness”って英語のネイティブでもインドの食文化を知らなければ「???」ってなる人いるんじゃないかな・・・笑
“tear”は「ちぎる」だから、カレーを手で食べたことある人は分かるでしょ!「このアタ粉を使えば、右手の3本指だけで簡単にちぎれる、ソフトでおいしいチャパティができます!」ってことです。
手で食べるとき不浄の左手は使わないので、この写真にあるとおり、チャパティをちぎるのも右手だけで。人差し指で押さえて、中指と親指でちぎり取ってますね。今度、お店でナンを食べるときやってみて!
それにしても、慣れてるはずのインド人でもチャパティが固いと食べるの大変なんだ・・・笑
そういうときどうするんだろ、やっぱり両手でちぎるっていうのはないですよね?
3)MPアタ
次はアーシルヴァードの袋です。MPはマディヤ・プラデーシュ州の略称。インド有数の小麦の産地です。わざわざ強調してあるのはブランド力のある地名だからでしょうね。同じブランドの上位商品で「セレクト・アタ」というのがあり、そちらは「マディヤ・プラデーシュ州のシャルバティ小麦100%」がウリです。日本の米でいう「新潟県魚沼のコシヒカリ」みたいなものだと思われます。ブランドものの全粒粉だなんて、さすがインド!
4)0%マイダ
調べてみても今ひとつ分からなかったのがこれ。ピルズベリーとアーシルヴァード、両方の袋に共通する表示なので、強調しておきたいことなのだと思うのですが・・・。
アタ粉は小麦の薄皮や胚芽を残して挽いた全粒粉で、少し茶色っぽいもの。それに対してマイダというのは、私たちが日本で見慣れている普通の小麦粉と同じもので、質としては中~強力粉。皮や胚芽を落とした、精白した小麦を挽いた白い粉です。
「0%マイダ」を強調するということは、「このアタ粉(全粒粉)には、マイダ(精白した小麦粉)を混ぜていません」ということなんですが・・・、いったい誰が何のために混ぜるのさ?!マイダのほうが安いというなら、アタ粉を安いマイダで薄めて売るみたいなことをするかもしれませんが、場合によってはマイダのほうがちょっと高かったりもするようで・・・。う~ん。引き続き調べて、そのうち記事を書けたら思います。(→書きました!「まざってないのを確かめたいインド人|アタ粉とは(3)」をどうぞ♪)
ちなみに、AGMARKNETというサイトでは、インドの農産物のその日の価格を見ることができますよ!!!インドのお役所の英語サイトですけど、ぜひ見てみて!
トップページ左側に”Today’s Mandi Prices” (今日の市場価格)という欄があります。インドは各地でかなり物価に差があるようですが、その平均が掲載されています。
Wheat(小麦)の値段は、もちろん粉に挽く前でしょうね。上で紹介した「コシヒカリ」的なブランド小麦「シャルバティ」は、やはりずば抜けてお値段が高いでしょう?
上の(4)で紹介した白い小麦粉のマイダは、Wheat(小麦)の欄にはなく、ずっと下のほうのOther(その他)の欄に分類されていて、”Maida Atta”と書いてあります。うーん、マイダを小麦に入れないという、この分類のしかたも興味深いですね。
というわけで、インドの暮らしが垣間見える?!パッケージ観察いかがでしたか。他にも、面白いものがあったらぜひ教えてくださ~い♪