失敗する「愉しさ」チャパティ100本ノックを終えて|チャパティ特訓(5)
粉と塩と水。
ほんとにシンプルなんだけど・・・
気温、湿度、自分の手や使う水の温度、塩の加減、粉の品質、伸ばしたり焼いたりするテクニック、火加減
いろんなことが、生地を良くしたりダメにしたりするってことが、頭だけじゃなくて身体で、指の先で、皮膚の感覚で、やっとなんとなく分かるようになってきました。
今になって思うと、一年でもっとも寒くて乾燥する11月から2月にかけてのこの100日、たぶん、初心者がチャパティを練習するには一番向かない時期だったのでは・・・笑
そんなことすら分からず、闇雲にこねて焼き、こねて焼き。
でも、これを暖かい季節にやってたら!
あまり失敗も苦労もなく、毎日きれいにチャパティがふくらんでいたら・・・
うまくいかない理由をあれこれ調べてみようとも思わなかっただろうし、アタ粉に興味を持つことも、インドの統計を眺めてみることもなかったかもしれないですね。
ベタで感傷的な言い方だけど、つくづく、失敗ってギフトでありチャンスであり、新たな出会いへの扉なんだな、と。
なにも連続100日にこだわらなくてもよかっただろうとは自分でも思うけど・・・笑
インド料理の先生になりたくて勤めを辞めるなど、プライベートでも変化が大きかったこの年末。
新たな一歩への期待と不安と迷いと安堵・・・、気持ちがめまぐるしく上下するなかで、毎日続けるってことが、視線を前に保って足を運び続けるためのザイルみたいになっていたところがあったかもしれません。
そして、何より・・・
毎日粉をこねつづけて気づいたこと。
料理の先生になるって、料理を仕事にするとはいってもシェフになるのとは違う。
レストランのシェフは、たぶん、調理のプロ。
毎回、毎食、何度作っても同じかそれ以上においしく美しく仕上げるのがお仕事なのでは。
私が目指す料理の先生は・・・
もしかすると、失敗のプロなんじゃないかな。
失敗しないで済むように教えるのはもちろんだけど、それだけじゃなくて。
先生がコツをいくら一生懸命伝えてくれても、いざ自分でやってみるとなぜかやっぱり失敗するのが、ある意味、料理のすてきなところなわけで。
失敗する「愉しさ」、失敗の先に開けている出会いの豊かさ、深さを、習いに来る人たちが自分でも気づかぬうちに自然に味わいはじめているような・・・
そのワクワク感が、ひとりからひとりに伝染し、いつも心地よい波動として足下に流れているような・・・
そんなレッスンが私にもできるかな?!できるようになれるといいな・・・笑
☆100本ノック Day53-100☆チャパティ特訓(5)
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